箕部の不正を証明するために、半沢は奔走するが…
中野渡謙(北大路欣也)頭取に裏切られた半沢直樹(堺雅人)は、道場で1人素振りをしていた。そこにSpiral社長・瀬名洋介(尾上松也)とセントラル証券時代の部下・森山雅弘(賀来賢人)がやって来て、3人で立ち合いをした。2人から激励された半沢は気合を入れ直した。
そこに紀本平八 (段田安則) 常務が姿を現したという情報を持って、半沢の同僚・渡真利忍(及川光博)が現れた。
常務室へ向かうと、そこには大和田暁(香川照之)がいた。大和田から「おしまいだ」と言われた半沢。
渡真利と共に紀本が滞在するホテルへ向かい、証拠の中身を問いただした。紀本によると、中身は入金依頼書と振り込み依頼書で、進政党幹事長・箕部啓治(柄本明)に金が渡ったという記録はなかったという。不正の事実を知っているのは箕部と第一秘書だけで、あの書類だけでは不正を暴けなかった。
半沢は国税庁の黒崎駿一(片岡愛之助)に助けを求めに行った。しかし、確証がないと助けられず、国税局が動いたと分かった瞬間、箕部は金を移しかねない。箕部に渡った金額から推測するに、海外口座に金がある可能性が高いと踏んだ半沢は、伊勢志摩支店からほど遠くない銀行に目星を絞った。
箕部の秘書・笠松茂樹(児島一哉)が伊勢志摩ステートの財務資料を約30分見ていたという情報を入手した半沢は、笠松に力を貸して欲しいと打診する。しかし、箕部の後ろ盾を失ったら、国土交通大臣・白井亜希子(江口のりこ)が失脚してしまうという理由から断られてしまった。
半沢は、白井、帝国航空再生検討チームのリーダー・乃原正太(筒井道隆)弁護士、帝国航空社長・神谷巌夫(木場勝己)、帝国航空財務部長・山久登(石黒賢)の会食に乗り込み、箕部の不正を探るような挨拶をして立ち去った。白井は乃原に不信感を抱き、さらに箕部の過去を知らないと踏んだ半沢は次の手を考えることにした。
半沢が自宅に帰るところ、白井と笠松が箕部の不正について尋ねに現れた。しかし、自宅では妻の花(上戸彩)が部屋を花で埋め尽くしていた。花は白井に桔梗をプレゼントし、花言葉は「誠実」で白井にぴったりだと伝えた。半沢は白井に協力を打診するが、確証を何も掴めていないとして断られてしまった。
人事部から半沢へ電話があり、明日頭取の元へ来るように言われた。花はリンドウを半沢に渡し、花言葉は「正義」だと伝えた。花の後押しもあり、半沢は頭取に物申すことを決意した。
中野渡頭取に物申す!!白井大臣を仲間に加えられるのか…
まず、半沢は先日の失礼な態度を謝罪した。実は中野渡は箕部に敢えて証拠を渡し、大和田を箕部のそばにおき、隠し口座を探らせていた。また、以前半沢が大和田に少々やりすぎたため、大和田派から反感を買わないようにし、証券の世界を見せるために半沢を外に出したことを打ち明けた。中野渡は過去を大和田に、未来を半沢に託そうとしていた。
中野渡、大和田、半沢が白井を説得する場を設けた。中野渡は過去の不正を公表しようとしていた。しかし、白井は自身の政治生命のために協力を断った。
そこで、半沢は12年前の出来事を打ち明けた。銀行同士が合併をした際、東京第一銀行のいくつもの問題融資で大混乱に陥っていた。その問題融資の1つに箕部への20億円の融資も含まれていた。警察の捜査が迫っている中、箕部は全ての責任を当時副頭取だった牧野治(山本亨)に被せた。牧野は銀行員の仲間のために自分の命を犠牲にした。
また、白井の政治生命を犠牲にするだけではなく、半沢自身も辞職する考えであるという覚悟を示した。白井は花にもらった桔梗を眺め、半沢たちの協力する決断を下した。中野渡は帝国航空再建の担当と、会見に出席することを半沢に命じた。
白井大臣を仲間に加え、いざ反撃!
会見当日、中野渡は牧野の墓にいた。半沢は債券放棄を断固拒否すると伝えた。さらに、白井が追い打ちをかけるように、タスクフォースが作った再建案は銀行が作成した再建案と瓜二つであったと公表した。タスクフォースを任命した自分の責任で、乃原の怠慢であると語った。債権放棄しなくても建て直しが可能であると断言した。
さらに半沢は、羽田―伊勢志摩路線を撤退リストから外していなかった点を追求した。15年前、箕部のファミリー企業(IS社)が土地を買うための20億円を、東京第一銀行から箕部へ融資があった。その土地は、数年後伊勢志摩空港となる土地で、巨額の利益が得られることを知ったうえでの融資であった。その後、IS社から億単位で箕部に金が送金されるたびに、口止め料として融資に関わった幹部に1000万円が配られていたのだ。大和田が証拠を持って会見会場に現れた。
会見開始30分前に、箕部の隠し部屋で笠松が情報をダウンロードした。UAE銀行に隠し口座があることがわかり、黒崎率いる国税庁が銀行へ向かった。白井は箕部の盆栽を床に叩きつけ、会見会場に向かった。その後、国税庁から隠し口座の情報が大和田に送られてきていたのだ。
半沢はUAE銀行の口座情報とIS社の東京中央銀行口座情報を突き合わせた。東京中央銀行から出金された同じ日に、引き出された額から口止め料を引いた金額がドルに換金され、UAE銀行へ振り込まれていた。箕部は「記憶にない」と言うが、白井は箕部に対し、説明責任があり、できないのであれば謝罪するべきだと言及した。箕部は軽く土下座をし、会見場から逃げ出した。半沢と白井は握手を交わした。
1000倍返しのその後…
東京中央銀行は過去の問題融資を公表し、謝罪をした。中野渡は頭取を辞職することとなった。箕部は逮捕され、乃原は強要罪で弁護士会を退会した。帝国航空再建はメインバンクの開発投資銀行を中心に行われることになった。白井は離党し、大臣を辞職した。無所属議員となり1からやり直す。笠松も辞職し白井の秘書になりたいと申し出た。
大和田に呼び出された半沢。大和田は、過去に半沢家への融資を打ち切って当然だったと伝えた。半沢はネジの技術を守るためには別の手段があったはずだと反論した。大和田は、今にも銀行が沈没寸前だとして、銀行を辞めると伝えた。一方、半沢はまだ立て直せる力が銀行には残っていると信じていた。ならば半沢が最後まで責任を取って、頭取となり立て直し、頭取にならなければ土下座をするように大和田は要求し、辞表を破り捨ててその場を立ち去るのであった。
(2020年9月27日放送)