東京セントラル証券のプロパー社員VS出向組
東京中央銀行のバンカーとして活躍していた半沢(堺雅人)だが、大和田常務(香川照之)の不正を暴き糾弾したことが原因となり、中野渡頭取(北大路欣也)から、子会社である東京セントラル証券への出向を命じられてしまう。
出向先である東京セントラル証券で、営業企画部長として勤務する半沢。しかし、そこで扱う金融商品企画はどれも、銀行時代とは比べ物にならないほど規模の小さなものばかりだった…
東京セントラル証券社長・岡(益岡徹)をはじめ、次長・諸田(池田成志)、三木(角田晃広)等からなる出向組と、調査役・森山(賀来賢人)、浜村(今田美桜)等からなるプロパー社員達の不公平感は根強いものがあり、両者の信頼関係はうまく築けていなかった。
更に、親会社の銀行からは不良案件を押し付けられるが、社長の岡は、子供は親には逆らえないと、請け負う始末。
その頃、大和田は、それまで敵対していたはずの中野渡頭取派に転身し、保身の為に組織を利用し新たな地位を築いていた。更に、大和田の忠実な部下である証券営業部長・伊佐山(市川猿之助)もまた、“半沢潰し”を目論んでおり、「世界の果てまで追い落としてやる」と意気込んでいた。
東京セントラル証券に1500億円の大型買収案件が。半沢はアドバイザーを求められるが…
そんなある日、プロパーの森山が担当するIT企業・電脳雑伎集団に、半沢達が呼び出される。電脳は、日本国内3位のIT系企業であり、通信事業・ネット通販・電子マネーサービス等が強みである。
電脳の社長・平山(土田英生)とその妻であり副社長・美幸(南野陽子)は、更なる飛躍の為、同じIT企業であり、検索エンジンに強みを持つ、Spiralを買収し、ネット戦略に新たな活路を見出したいと申し出る。
買収にかかる費用は1500億円に上る大型案件だが、順調に業績を伸ばしているSpiralが、素直に買収に応じるとは思えず、敵対的買収になることが予想された。
Spiralは、社長・瀬名(尾上松也)、加納(井上芳雄)、清田(加藤啓)が立ち上げたITベンチャー企業であり、自社開発の検索エンジンにより、飛躍的に業績を伸ばし、その経営手腕は、「瀬名マジック」と言われ、瀬名は一躍時の人となっていた。しかし、投資事業の回収を求める加納・清田と折り合いがつかずに対立し、2人は退社してしまい、今に至っている。
半沢は、社長の岡から、なんとしてでもこの大型買収案件を受けるよう、強く求められていた。そして、セントラル証券の成長の為にも、一歩踏み出して検討することを決め、Spiralを買収することが電脳にとって本当にメリットになるのかということも含め、慎重に考える姿勢を示し、チーム編成を諸田に任せる。
しかし、諸田が構成したチームは、出向組が主なメンバーで、電脳の担当者である森山はチームから外されてしまう。しかも、出向組の調査が非常に甘く、不安を覚える半沢。
電脳から突如依頼を取り下げられてしまう半沢。この買収案件をリークした者が…
二週間後、半沢達は電脳へ具体案を提示しに行くが、スピードがモットーの平山の態度は一変しており、対応の遅さを理由に依頼を取り下げられてしまうのであった。
電脳のビルで伊佐山と遭遇する半沢。自身の銀行時代の同期であり、情報通の渡真利(及川光博)からの情報で、東京中央銀行が1500億円の融資案件の承認を得たことが分かった。そこで伊佐山が、メインバンクの立場を利用して今回の買収案件を奪い取ったことを知る半沢。驚きと怒りを滲ませた半沢は、同時に、東京セントラル証券内に、この買収案件をリークした人間がいることを悟るのである。
伊佐山は大和田を裏切り、副頭取・三笠(古田新太)に電脳のSpiral買収案件を持ち出し、銀行内での融資承認を得る。しかも、半沢達の案件を横取りしておきながら、東京セントラル証券がこの大型案件を逃した全ての責任を半沢に押し付け、半沢の更なる地方への出向を目論むのであった。
銀行からの融資の承認を得て、電脳のアドバイザーとなった伊佐山は、時間外取引でSpiralの元経営陣である加納・清田からSpiral株式の30%を買い、世間ではビジネス界のパールハーバーと呼ばれる騒ぎとなった。
半沢と森山は、電脳の買収案件を伊佐山にリークした犯人を暴く為に、三木に罠を仕掛ける。
犯人は一体誰なのか?そして仁義を通さず、子会社から仕事を奪った伊佐山に、倍返しすることを誓う半沢。半沢の新たな下克上が今、始まろうとしていた。
(2020年7月19日放送)