日本テレビ

野ブタ。をプロデュース 第10話/最終話(日本テレビ)俺達は、どこででも生きていけるんだ

世間ではすっかりクリスマスムード。修二(亀梨和也)・彰(山下智久)・そして信子(堀北真希)は、夢の中にサンタが出て来て、欲しい物は何かと尋ねてくる。

信子は修二のところへ行くよう頼み、修二は彰のところへ行くよう頼み、最終的に彰とのところへやってきたサンタ。彰は、カレーパンが欲しいと頼んだ。夢から目を覚ます3人。そんな3人のところへ一平(高橋克己)がやって来て、3人にカレーパンをくれる。

3人で過ごした時間が楽しく、転校をなかなか言い出せずにいた修二。

一方、桐谷家では、修二の父親の転勤が決まっていた。しかし、彰と信子になかなか話を切り出せずにいた。3人でいる時間が楽しく、別れるのが辛くなっていたからだ。

信子の突撃レポートは今や学校の名物となり、後輩に写真やサインを求められるようになったり、追いかけられたりするようになり、今ではちょっとした有名人になっていた。

3人で集まり、3人が同時に「あのさ」と話を切り出す。

信子の話は、突撃レポートを辞めたいということだった。自分が注目され続けるのが、辛いということだった。
そして、信子を人気者にするということを前提に始めたプロデュースではあったが、果たして人気者が本当に良いのか、修二自身も、最早それが分からなくなってきていた。

修二の話は、年明けに引っ越すことだった。
それを聞いた信子は、ショックから、部屋を飛び出してしまった。信子の後を追う彰。

そして、彰の話は何だったのかというと…話をしようと、ぬかの入った壺を持って来ていた。修二がその中を見ると、そこには信子が修二を後ろから抱きしめる写真が入っていた。あいつ、知ってたのか…と、修二は呆然とする。

信子は修二の転校にショックを受け、泣いていた。しかし、本当に辛いのは、修二なのだ、だから俺達は笑って送り出そうと、2人で話し合った。

最後に記念に何か3人でしたいと言う信子と彰。修二は拒否するが、彰は、自分だったら、巫女さんになった信子に、野ブタパワーを注入してもらいたい、そう冗談で言った。
しかしそれを真に受けた信子は、走り出し、巫女さんの恰好をして修二の前に現れ、野ブタパワーを注入した。

信子はかすみ(柊瑠美)の家を訪れた。あれからかすみが学校に来ていないことを心配していた信子。かすみは、学校に行くとまた信子のことをいじめたくなってしまうかもしれないと言う。そんなかすみに、信子は、全て受け止めてみせると言った。

ある日、修二はまり子(戸田恵梨香)とすれ違い、まり子にも転校のことを伝えた。そしてクラスでも修二が転校することは知れ渡っていた。

感謝の気持ち、伝えたい…それぞれの思い

「どれだけ感謝しているか、伝わればいいのに…」修二に言う信子。分かってる、俺も同じだし、と伝える修二。そして、まり子にもこの気持ちを伝えよう、そう誓った修二。

修二は、前からまり子が一緒に海に行きたいと言っていたのを思い出し、まり子を誘い、学校に連れてきた。
時間がなかったので、教室を海のように装飾し、放送室で信子と彰が波の音を出して、教室じゅう、海を演出した。今度会ったときは、もっとましな人間になっているつもりだからとまり子に伝える修二。修二が作ったお弁当を一緒に食べながら、まり子は、この味、きっと忘れないと思う、と修二に伝える。二人はその穏やかな時間を一緒に楽しんだ。

その帰り道、修二と彰は、明日もあるように別れ、お互いに一度も振り返らなかった。

そして、修二、別れの時。野ブタパワー、注入

そして、いよいよ修二が街を離れる日がやって来た。引越し業者のトラックに乗っている時、修二の携帯が鳴る。電話口から聞こえる「左!左!」の声に、左を見ると、彰や信子、クラスメイト皆が修二を見送りに来てくれていた。

皆で記念撮影をする。ほんとに、ありがとね…修二は皆に礼を言う。走り過ぎて行くトラックを、皆はいつまでも見送っていた…

彰と信子は修二を見て、拳を強く握った。同じように、修二も拳を握った。野ブタパワー、注入。心の中で、そう呟いた。

げ…幻覚…???なんでお前がここにいるんだよ?!

転入生として新学期を迎えた修二。担任から紹介された修二の目に飛び込んできたのは…なんと、前日に転校してきたという彰だった。

修二と彰は二人で一人。信子はもう一人でも大丈夫。と、信子は彰を送り出していた。信子とは、この空の向こうで繋がっている。

一方、信子は…
「私、笑えるようになったよ…ちゃんと、笑えるようになったよ…!」屋上で、空を見上げ、呟いていた。

(2005年12月17日放送)