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半沢直樹 2期 第8話(TBS)紀本と箕部は不正融資で繋がっていた?そして智美の正体とは

紀本が辞職せず大和田憤る!鍵となるのは「箕部空港」か

政府進政党幹事長・箕部啓治(柄本明)と密会していたのは、東京中央銀行頭取・中野渡謙(北大路欣也)であった。箕部は中野渡に、帝国航空の債権放棄拒否を他の銀行にけしかけたのは、東京中央銀行ではないかと釘を刺す。

一方で半沢直樹(堺雅人)は、東京中央銀行の役員会議にて、常務の紀本平八(段田安則)が帝国航空の債権放棄賛成に「銀行員生命を賭ける」とまで言い切ったことから、箕部と繋がっているのは紀本だと推測していた。

半沢により債権放棄拒否が決定したため、後日の役員会議で取締役・大和田暁(香川照之)は紀本を追い詰めるが、紀本は中野渡が国会で参考人招致(調査のために招かれて意見を聞かれること)を受けるかもしれないと報告。招致されれば東京中央銀行の信用が地に落ちるため、それを防ぐという名目で常務の座を降りない旨を述べた。大和田は常務の座を奪えないとわかり憤慨する。

半沢は、紀本が参考人招致の件を知っていたと聞き、箕部と紀本の繋がりを確信する。その時タスクフォースによる帝国航空再建案が発表された。中身は半沢の再建案の丸パクリだったが、唯一半沢が撤退候補として挙げていた「羽田―伊勢志摩路線」だけが、タスクフォースの案では存続となっていることに気づく。この路線が別名「箕部空港」とも呼ばれていることから、半沢は箕部が鍵を握っていると確信する。

黒崎も追っていた箕部の不正融資 手を組んだ半沢と大和田

同僚・渡真利忍(及川光博)と共に箕部のことを調べていた半沢は、同じく箕部を追っていた金融庁の黒崎駿一(片岡愛之助)に「東京中央銀行と箕部には関わりがある」と知らされる。しかし箕部に融資をした形跡は見つからず、半沢は合併前の派閥が関係していると踏んだ。

東京中央銀行は、半沢や大和田が勤めていた「産業中央銀行」通称・Sと中野渡や紀本が勤めていた「東京第一銀行」通称・Tが合併して出来た銀行。合併前の融資情報を調べると、30年前から箕部が旧Tによる数千万程度の融資を複数回受けていたことが発覚。

取引詳細の閲覧許可をとるため役員である大和田のもとへ行くと、大和田もまた、箕部と紀本に目をつけていた。利害が一致した2人は嫌々ながらも手を組むことにする。

箕部への融資明細を見ると、過去に20億円という大金がマンションの建設資金として融資されていた。箕部のクレジットファイル(取引先の詳しい融資情報)が見当たらず、半沢は部下の田島春(入江甚儀)と共に当時箕部の担当だった法人部部長代理・灰谷英介(みのすけ)に話を聞きに行くが、旧Tの灰谷が旧Sである半沢に情報を教えることはなかった。

次に半沢は、元上司でもあり、出世コースを外れた者の「出向待機所」とも言われる検査部の部長代理・富岡義則(浅野和之)のもとを訪ねる。富岡によれば、合併前の旧Tには反社会勢力や詐欺、政治家と癒着した実態不明の「不正融資」がわんさかあったという。富岡は、この20億円が不正融資であるか知るためのクレジットファイルを何者かが意図的に隠しているなら、不要になった書類の墓場・書庫センターにあるかもしれないと述べた。そこに灰谷から報告を受けた紀本が現れるが、半沢らは間一髪のところで大和田が仕向けた福山啓次郎(山田純大)に助けられる。

小料理屋の女将・智美の正体

富岡と半沢を呼び出した大和田は、福山が調べたあるリストを見せる。載っていたのは紀本、灰谷、中野渡、そして役員会議で紀本に最初から同意していた荒木と武田。彼らは全員旧Tの人間で、当時旧Tの副頭取であった牧野治(山本亨)の部下であった。

牧野は中野渡とも親交が深く、合併後の東京中央銀行の発展に尽くした人物だが、例の「不正融資」の責任を取るため10年前に自殺していた。このリストは毎年命日に牧野を偲ぶ集まり・「棺の会」のメンバーで、そこには、棺の会に参加してはいないが牧野の元秘書だったとして、半沢の行きつけの小料理屋の女将・新山智美(井川遥)の名前もあった。半沢は、牧野の命日である9月6日に、智美が「用事のため店を休業する」と言っていたことを思い出す。

命日当日、紀本らがいる「棺の会」の傍らには、遠くから墓前を拝む智美の姿があった。智美の前に渡真利と姿を現した半沢は、智美が牧野の元秘書で、中野渡の元部下であったことを聞く。10年前ホテルで自殺した牧野を発見した智美は、「牧野の死亡後、ある銀行員の口座に多額の金が振り込まれていたらしい」という噂を口にし、牧野は無実だと主張する。半沢は、その銀行員こそが紀本であり、箕部へ不正融資を行っていた張本人だと確信する。

後日、大和田の指示により牧野を調べていた福山のところに、紀本が現れた。箕部の名を出され紀本に脅された大和田は、自分を常務に推薦することを条件とし、「牧野が智美にあてた遺書により、半沢が箕部のクレジットファイルの在り処を突き止めた」と情報を洩らす。

紀本は灰谷にクレジットファイルの無事を確認するよう命じ、自分は遺書を見るため智美の店に向かう。そこには半沢が待ち受けていた。

半沢は、遺書にクレジットファイルのことは書かれていないが、灰谷がファイルを確認しに行ったことで富岡と田島によりファイルを入手出来たことを明かす。福山が紀本に”わざと見つかった”ところから、全て半沢たちの罠だったのだ。

半沢に白を切る箕部 果たして牧野は無実なのか?

半沢が紀本の不正に言及していたその時、紀本に箕部から連絡が入り、半沢と大和田が呼び出された。

箕部は20億の融資はやましい金ではないし、牧野が無実なら自殺なんかしていないだろうと述べ、半沢らに不正融資先とされる複数の企業から牧野の銀行口座への入金記録を見せる。この不正融資の証拠が明るみに出れば、東京中央銀行には業務停止命令が出されるかもしれないと半沢たちを脅す箕部。金融庁に告げ口される寸前で、半沢はなす術なく自分の非礼を謝罪したのだった。

自分の身を案じた大和田が、箕部から手を引くよう半沢に指示していた時、2人は金融庁の黒崎が、箕部を追っていたことがバレて異動になったことを聞かされる。半沢が黒崎のもとを訪れると、検査官の立場を失った黒崎から「伊勢志摩ステート」を調べるよう告げられたのだった。

果たして伊勢志摩ステートに何があるのか、そして牧野の自殺の真相を明らかに出来るのだろうか…?

(2020年9月13日)